PATROLTIME『cut up(7")』

 PATROLTIME

『cut up(7")』


型番: DEBAUCH036
フォーマット: 7"
発売日:2025/9/17


A side
1.Naked
2.Boring
3.groupie sucks
4.energy
5.D-BOY
6.?
7.R.A.W

B side
1.plasticbomb!!
2.violento
3.No quiero
4.cut up
5.ドゥ・イット・ユアセルフ


DEBAUCH MOOD、36作目のリリースは、
東京産_原始的 Raging Punk/ハードコア Punk
PATROLTIMEによる『cut up(7")』。
先日自主制作されたCDの7" verがリリースされる。

メンバーはDr/Vox. TOGA、Gt. TATSUBOY、 Ba. GUCCI、(Ba. Taiki.Y[育休中])の3名編成。
長崎より上京したTOGAを中心に2018年頃活動を開始。
自主にて、It's time to patrol(TAPE)、ブラボーEP(CDR)、KING OF DRUG(CDR)をリリースした後コロナ禍の活動制限を経由し、2024年現編成としてからは多くのliveを重ねるに至る。
Drボーカルであるのも然る事ながら、一般的なthrash、fast、speed coreとは根本が捻じ曲がって違うかの楽曲を武器に、東京地下シーンの異端児的存在として今日もDIYな活動をPATROLTIMEは続けている。

元々バンドによる完全自主制作(rec、ジャケ作成etc)にて2025年発表されたCD盤の7" verとしてリリースされる今作は、現状バンドの全てを吐き出した45rpm全12曲(!)となる。
そこには昨今のPUNK/HARDCORE PUNKにおいては珍しくなった“原始性”を叩きつけるような、ひたすらなプリミティヴ・サウンドが刻まれ、細かくノイジーに、且つ柔らかくもキャッチーに特攻するかのショートカットナンバーが畳み掛ける。
ドタバタとしながら各国の黎明期HC的側面を曲に土台付けるDr/Vo、淡々と自分達がどのPunk Bandに位置付けるかを表現するBa/Choの塩梅が側を作り、そして楽曲にドライブ感とノイズを完全に出しつくすGtによって全編の個性は確立されている。

 一聴謎めいているPATROLTIMEの音楽的背景だが、メンバー3名が挙げるフェイバリットバンドはLOS CRUDOS、JOHNS TOWN ALOHA、KRIGSHOT、SCUM BANDITZ、ASSFORT(亞吸不汚吐)、S.O.B、THE COMESとの事。
そこにはこのメンバーにおける趣向のバランス感覚(自由度)が垣間見える。
レーベルとしての今作の印象は、DESOBEDIENCIA CIVIL(MEX)、CIVIL DISOBEDIENCE(US)、U.B.R.(旧ユーゴスラビア)といった原始的なHC PUNKエネルギーをSSDなどBOSTON地域感覚に振りかけたかのような、且つANTI(I Don't Want to Die in Your War)、CAREER SUICIDE等のような親しみありつつ手の込んだPUNKの色合いを重ね、正に音楽として誠実的で悪ガキ的な魅力がある。
2010年代以降のBandであればDeformityなどとスタイル的な親和性も感じられるかもしれない。
ロッキンな疾走と狂乱が交錯連続する構成は、まさに衝動の塊といって過言ではなく、その個性ゆえに、聴き手に各国の魑魅魍魎を発想させるインスピレーションを喚起させる存在に、確実に現状このバンドは成り始めている。

一貫してマイペースな活動を続ける彼らが、レーベルの「レコードで聴きたい」という願望に応えてくれた形で実現した本作。
PATROLTIMEにおいて初のレコードリリース『cut up』7"として、針を落とす事により深くRAWな質感は強調される。
久々に言うなれば、『自分が気持ちいいと思える最大音量にて』針を落としていただけたら幸いである。

※今作も自主制作CD verと同様、PATROLTIME patchが封入!

MIDDLE EDGE​『​Clash Case​(​7"​)​』

  MIDDLE EDGE​

『​Clash Case​(​7"​)​』


型番: DEBAUCH035
フォーマット: 7"
発売日:2025/1/29

〈お取扱先〉
teenarama!(札幌)
record KNOX(水戸)
CHIC SALE(土浦)
record shop BASE(高円寺)
NAT records(西新宿)
NINE SPICES(新宿)
DISK UNION(各店)
punk shop VORTEX((四日市)
RECORD POLIS(福岡)

A side
1.Clash Case

AA side
1.Not Vanish


DEBAUCH MOOD35作目のリリースはMIDDLE EDGE『Clash Case(7")』

過去LOUD SNEEZE/SNEEZE、PERFECTFORM、LATEKNOCKSにて活動してきたメンバーにて2012年頃、東京・茨城近辺にて活動を開始。現在までにFirst DEMO 3tracks CDR、Live in VOID CD、Emotion Freeze 7"、SCRAP VA CD/LP(Mangrove Label)への参加、Vicious Spiral 7"、TVTVとのSplit 12"をリリース。そして2024年、既に名盤と名高いアルバムI Lost My Mind LP(Episode Sounds)が発売され、その到達したHi-クオリティ楽曲の連打・全パートの痺れるアレンジを武器に各所素晴らしきライブを重ねてきているのが、現在このバンドの進捗となっている。
今作はそのMIDDLE EDGEにおける次点、正に『Next Moveに自身達を導く』かの最新7" Singleとして、2025年初頭にリリースされる事となる。

今作に対してメンバーが語るは、
『前作LPまでに培ってきた、暗中にソリッドさせるかのLate 70’UK Punk/Post Punkなどからの影響を確固としながら、ある意味NW色をまとわせ・新たな曲調を際立たせた2曲を用意した』との事。
前作LPがJeopardyのキラー曲などで埋めつくされたかのような充実であれば、それらを維持しながら、インパクトある展開に一気に突っ込んでいくような言葉に違わぬSingle盤として今作は完成されているのだ。

A side。
そこにはXTC、SPIZZENERGI等のNW直前Dance Punk楽曲がCombat Rockに剥かれナイフ一本で突貫してくるような『Clash Case』にて、楽器隊が高度に絡み合うソリッドと体感、リズム立ちにて横殴りされるかの、MIDDLE EDGEとして新たな可能性が示唆されている。
メンバー曰くIDELSなどのように代表される現行にて各時代を上手く飲み込んだPost Punkの影響もあるとの事であり、細部にまで行き届いたアレンジが随所に心地よい波形と共に散りばめられ増幅。
そこから正反対な展開で攻めるAA side。
『Not Vanish』によってThe Sound中期〜後期~Adrian Borlandの各種Workを愛してやまないメンバーにおける理想はここに一つ完成されたといっても良いのではないだろうか。
例えばThe Cure、The Chameleonsまでもを彷彿とさせながら、淡さと豪快が共存しつつBメロにて急転する様は、The Alarm『Marching On』、Another Pretty Face迄もを感じさせるガッツがMIXもされている。
両面踏まえ、ある意味観点を変えればCRASS RECORDS以降生まれたZoundsやPolitical Asylumなどの勢力、『90年代以降の商業的成功関連を現代で捏造するような』面白さ、または独自の語色溢れる空気に独NDWの影に埋もれつつあるother side(Die Toten Hosen、Abwärtsとか?)をフラッシュバックする人もいるかもしれない。
様々に肉薄した甘美と豪快さが掛け合わさっているこの異物感こそが、所謂70's Punk Styleのシーンにて長く活動を続けてきたMIDDLE EDGEとしての意味、ないしは勝ち取ってきた価値なのではないだろうか。

各面1曲ずつの収録とは思えないほどに複雑に絡み合った編曲性と熱いセンスが交錯する今作。そこに収録されるはUK音楽を主軸に置きながらも、土着の独自性が大らかに個性として満ち溢れたThis Is Asia,(NOT Euro-American)におけるこの島国での『Late 70’ UK Punk/Post Punk Influence』狭間でインスピレーションを爆発させるMIDDLE EDGEにおける珠玉の2 Songsがボリュームとして存在する。
非常に満足度高い内容となっているので、是非とも現物として楽しんでいただきたい。

※今作はレコーディング・アートワークデザインまで全てバンドメンバー自身にて完結。バンドの地力の強さを体感できる音源内容は当然として、露芸術革新運動期を彷彿とさせる各種アートワーク発想も一つ見所となっている。