WETNAP『gnarled(LP)』

 WETNAP
『gnarled(LP)』
 
  
Side A
1.Livre
2.Summer Solstice, Fern In A Dream
3.Permafrost
4.Now, I Know
Side B
1.Strickland
2.Life Is Beautiful
3.No.6
4.Always
5.Cold Inside

型番: DEBAUCH027
フォーマット: LP
発売日:2022/10/1
売価:2,860円

〈お取扱先〉
UNK(青森)
record shop BASE(高円寺)
BUSHBASH(小岩)
NINE SPICES(新宿)
DISK UNION(各店)
LAIDBACK(甲府)
SONE RECORDS(浜松)
where is your room(金沢)
Record Shop A-Z(名古屋)
LOVE OVER VOLTAGE(京都)
JET SET(京都)
DISTRO CABBAGE CASE(徳島)
RECORD POLIS(福岡)
BAGISM(福岡)
mychairbooks(熊本)

■DEBAUCH MOOD、27作目のリリースはWETNAP『gnarled(LP)』

 2018年東京にて結成。
メンバーは過去Votzcoにて狂熱エモーショナルの限りを尽くし、現在Nextなアプローチを模索し続けるアサノタカシ(Gt)、元The Doodles、並行しゲタゲタなどにて各国・各年代多くからの影響を独自表現にてアウトプットし続ける才人クロサカユウコ(Ba)、そしてNorth by Northwest、GAKUDAMAや各サポート等の活動を同時進行させ、底無しの個人活動ペースにてシーンを叩き盛り上げ続けるコイケユウキ(Dr)の3名となる。
 2019年に挨拶作としての『4 Songs E.P.(TAPE)』をリリースし、その明らかに個性強すぎるメンバーの組み合わせにて始動したこのバンドは、今年あらためて活動継続4年目を迎えるに至った。
 その灰汁強き3名の存在感溢れる楽曲、活動全てをぶちまけたかのバリエーション、それらがバンドの真誠として収録された初Full-Length Albumレコード(LP)。フィジカル作品が2022年10月、遂に発売される事となる。

 今作は、生々しさ・危うさすらもパッケージしたかのサウンドにて、『その場所』でのリアルを前提に置いた一発録音・バンドの形がストレートに体現された9曲を収録。
 その緩急ある展開にて連続される各曲は、広義におけるMelodic Punkといったジャンルが最盛期から地下へ潜るまでの音楽定石を、多角的な目線にて紡いだオリジナリティに溢れている。
 (Alt-countryのルーツ的な)淡きナンバーがじわじわとバーストしていく様から外周はスタートし、そこから一転音源を引き立てる各Voが連続される形を主軸に、ノイジーな渇きが詰め込まれたキラーなGtが疾走する。俯瞰的に寄り添い〜各Trackの抑揚を展開に落とす為のパターンを使い分けるBaにて流れはより際立ち、楽曲を音楽的により一層強く鳴らす・刻むDrの熱き空気感にて3点は成り立つ。それら各パートの存在が生々しきドキュメントとして爆音に鳴らされ、曲順含め非常に『面白い』アルバムは進んでいく。

 引き合いを出すのであれば、『これはThe Weakerthans(1st) 、Team Dreschの日本的Under Ground解釈ではないか!』と思わせる90年代心地良きベールに覆われながら、メンバーが公言するShudder To Think、Les Thugsといった極論Dinosaur Jr.を起源とした当時のAlternative Guitar Band群に集約されていく。そこからより踏み込めば、要素としてのVolcano Suns~Mission Of Burma、Last Stand(Scum Guns)な80年代後半におけるBoston界隈かのギターワークが実態としてGarageな感覚に乗るよう随所に響き、「A Brief History~」頃のLilys(様々な遷移があるバンドにおいての)インスピレーション(こちらもメンバー公言)的なアイディアも加味される。愛嬌と狂気の同居を感じるBaの楽曲が以降専売特許にすらなっていきそうな才覚を盛り込み、A-Heads〜SpitboyあたりにおけるDIY PUNKからの影響も感じ取れ、そこには決別の意味ではない『表層での括られ方』を音楽的な表現として無に帰すかの自由なグラデーションが正に表されている。そしてDain Bramage(Dave Grohl)かの80年代USベースメントな空気感~当時の先を予見させる音楽的な派生を若き手の中に収め『8ビートを叩く、ライドシンバルを振幅限界までぶち鳴らす』事における魅力を言葉でも語り体現するDrの一打一打は、インパクトと飛び散る熱量を汗に乗せ、日本において地に続くR&R醍醐味を現代の息子として相乗させる意味を担っている。
 はたまた懐かしきRadon等ゲインズビル近郊Melodic Punkを一度リセットしたかの再構築された見方などなど、、、作品としての各所醍醐味とバリエーションは、細かく聴くごとに都度フラグ立てられていく。
 そしてこれだけ様々なバンド名を上記に書いている理由は、このバンドメンバーが自由に『音楽を聴きまくる』人間達である事に対しての、レーベル側としての勝手な誠意であることもここに付け加えておく。

 今作の録音/Mix/Masteringはヨコヤマレイ氏(Storohorn Music Laboratory)、Cover Photo:イハコウタ氏(アサノタカシ20年来の親友)、そしてアートワークはバンドが全て制作を行いながら、アドバイザーにスズキユウマ氏(Endless Homework)が協力。多くの人間のサポートを元に、このバンドのアイディアが具体化された音源は完成された。

2022/7/16(sat) DEBAUCH MOOD presents【RAT RACE vol.??】at新大久保EARTHDOM


2022/7/16(sat) 
DEBAUCH MOOD presents
RAT RACE vol.??

act
the GERØS(Osaka)
Balladmen
Arcadian Starship(Sapporo,Osaka)
Vince;nt
Daiei Spray
My Society Pissed
DJs:Mokuo(100%British MOK)/Seiko(Penetralia)

at新大久保EARTHDOM
OPEN17:30/START18:00
adv 2000yen/door 2500 yen+d

または各バンド、レーベル(debauchmood@gmail.com)まで

    
  何年ぶりかのレーベル企画を開催します。
(※SNS、ブログなどに書いていない昔の共同企画などあり回数不明のため『vol??)

 この2年間、表向きとしてはレーベルにて7作品のレコードリリースを実現することができました。
 しかし、実情ではコロナ禍直撃と相まっての各バンド日本・海外ツアー・ライブの中止や、縮小・延期なども連続し、『このまま終わってしまうのでは』という不安が常に隣り合わせの期間でもあったことは事実です。
そういった『楽しみにしていたものが無くなる』事がどれだけ気持ちに影を落とすのかを皆一律で体感していた中で、何よりも勇気づけられたのは各リリースバンドの熱意でした。
 状況から抜け道をいくらでも作り上げる各々の底意地を目の当たりにし、できる範囲でのツアーを実現するバンドや、片や在宅での表現活動を模索し強力なスタイルを得たバンドなど、本当に心強くレーベルとして大変胸を打たれました。お互い助け合えたことが何よりも嬉しく、感謝しかありません。
 今までの企画回数は忘れましたがこの2年間を忘れないために、勝手に全バンドレコ発といった心持で企画を執り行います。
是非ともお越しいただけますと幸いです。
 
※以下にて出演バンド配信先を記載しておきます。

【出演①】
My Society Pissed
現体制はPinprick Punishment、Lipups、Omit Vomitメンバーにて継続。地下臭漂う往年US PUNK~所謂Noise Rock始祖的観点までが交配、Flipper/No Trend/Church Police等同ベクトルin Tokyo.


【出演②】
Daiei Spray
現在、新作リリースを目指し変わらずactiveに活動。Post/Emotional Hardcore Punk前段US Hardcore Punk/Punk群を「日本的解釈」にて疾走、濃い展開とpower band然とした厚みが壁として立つ頼もしき存在。


【出演③】
VINCE;NT
20年頃現体制が確立。その各世代心繋ぎときめかせる鮮度溢れるAlternative Musicと、独自の孤高感〜爆音感触の両翼含みながらNeo Psyche/Gothic/Junk経由Doom/Desert Rock片鱗までが渦巻く新星バンド。


【出演④】
Arcadian Starship
札幌はThe Sleeping Aides&Razorbladesの中心人物白浜(現在大阪に移住)による、その天然色な音楽性を柱に泣きの旋律彩られたソロプロジェクト。Cleaners From Venus等への愛溢れる活動を実施。


【出演⑤】
BALLADMEN
『Blues/Jazzをパンクロックの音量とテンションで鳴らす』事をテーマに、フロアを毎夜白熱させ続けている3人。その重心落とされた血中濃度高きアンサンブルは、単純化された既成概念を貫いていく。


【出演⑥】
the GERØS
各7"、12"リリースにて知られる大阪Punk Rock Band。CRIME/LEWD/VAINSそしてTHE MAD等とロカビリー影響下のリズムがクロスしながら、より泥沼化していく楽曲通し70's PUNKにおける関西の象徴的姿が映る。

VINCE;NT『VAPID (LP+CD)』

 VINCE;NT

VAPID (LP+CD)』


Side A
1.Enigma
2.Only God
3.We Never Seem To Learn From Our Mistakes...
4.Dimension
5.Sycophant
Side B
1.Daybreak
2.Cathedral

型番: DEBAUCH025
フォーマット: LP + CD
発売日:2022/4/23

〈お取扱先〉
record KNOX(水戸)
record shop BASE(高円寺)
BUSHBASH(小岩)
NINE SPICES(新宿)
DISK UNION(各店)
SONE RECORDS(浜松)
where is your room(金沢)
Record Shop A-Z(名古屋)
REVENGE RECORDS (大阪)
JET SET(京都)
DISTRO CABBAGE CASE(徳島)
RECORD POLIS(福岡)
HMV(新宿アルタ)
TOWER RECORD(要各店舗確認)

◼︎VINCE;NT『VAPID (LP+CD)』
 DEBAUCH MOOD、アナログレコード26作目(型番は025)のリリースはVINCE;NT『VAPID (LP+CD)』。
 先日、初のレコードリリースとしてドロップされたばかりである『Resurrection:Ax/Ex(7")』に於いて、その存在が徐々に具体化されつつあるVINCE;NT。
 先般のsingle作とはまた異なるディレクションにて磨き上げられた挑戦的楽曲渦巻くLP(同内容のCD付属)作品・待望の最新作アルバムとして海外プレス遅れに遅れ、2022年4月遂にリリースが実現となる。

 メンバーは4名編成。Yusuke Shinma(gt/vo)、Arisa Katsu(gt/vo)、Iori Kimura(ba)、Kanako Teramoto(dr)にて2020年頃現体制としての活動を東京にて開始。前作7"リリースに際して記載した通り、そのAlternative純然たる音楽性を主柱としながら、Neo Psyche/Gothic/Junk 経由 Stoner/Doom/Desert Rockの片鱗を非常に屈折した解釈にて盛り込み、どう考えても一枚岩でないそのバンドのセンスは日に日に露見され、各称賛を浴び続けながら現在もバンドは独走を続けている。

 過去にリリースしたフィジカル作品は初期作『DIVIDED(CD)』と前作『Resurrection:Ax/Ex(7")』と数枚のみ。過去楽曲における『Dead Meadowあたりの感触から日本のオルタナティブ機軸を次フェーズに立て続ける』感覚や、『Mayo Thompson的作用をTBJM通しながら砂塵起こすような強引さに振る』種子はベクトルが調整されより開花し、そこから前作におけるNeurosis×Loop(UK)etcかの淡いHeavy的実験に経由された(実際は今作後のレコーディングではあるが)、はたまた見方を変えれば極初期のOne Little Indianリリース群との感覚的共通点etc..バンドの多くを把握するに相応しい、まさに"凝縮された"フィジカル作品のアルバムとして今作はここに完成された。
 そんな今回のLPは、まさにバンドのナチュラルさと異物感が絶妙な編曲性により混ざり飛び交う7曲を収録。A・B面ライブでおなじみの楽曲の連続もさることながら、より新鮮に感じられる各アレンジの粒がここに音源として立脚。各Gt×2における中音域の心地よさとキラー感・絶妙すぎる音階の渋さとBa、Drの濃い連打性・反復に艶を彩る存在感の交わりには、Post HCのプロトタイプ的感触を重ねるにしても最早物足らず征しており、極端な「厚み」など捨てても問題ない硬き芯が本質として存在する。
 音源としてぎりぎりDeepになりすぎない音像がかえってFlatな一意専心的に相乗されていく様を体現し、粘着性の強い絶妙な楽曲群に疾走感や人力的にぶち抜かれる長尺ナンバーまでもが作品として展開。それはまさに毎回繰り広げられる名演を各人が繋ぎ、ライブにおける轟音であるが轟音に感じさせない心地良さの理由となる潤沢なアンサンブルの鳴動センス、体感速度短く瞬間の出来事に感じさせるかの濃さも含め、全編通し表現されている。
 UnwoundやRed Temple Sprits、Savage Republic、SoundgardenにGirls Against Boys、Loop(UK)、Syd BarrettにFugazi等と思う比較は多々あれど、引き合いを持つ意味すらも無意味に思えるような、DystopiaからUtopiaにリバースしていくかの狭間に位置する感覚すらも用意された今意欲作。昇華され続ける『VINCE;NT』のフェーズの直近はほぼこの音源にあり、バンドの将来は今も進行形で磨かれ続け、現場にて白熱し続けていく。
 そして小さな生き物の生涯を通して、自分の人生を顧みる大切さすらも、このバンドの総意には含まれている事が今では明らかになっている。

 ※今作LPはRec/Mix/Masteringはツバメスタジオの君島氏、Artworkは京都のYANKEE KONG氏が担当。バンドにおけるインスピレーションは協力者からの助力も併せ、ここに作品として完成されたことを記しておく。



 ★今回のリリースをレーベルがバンドに発案したのは訳2年前に遡ります。当初から独自の観点が燻ぶるような孤高的音楽性の濃淡現れていたバンドを追うことで、強迫観念に追われるほど『これは協力しなくては!』と思わされてしまい声をかけたのが今では懐かしくも思い出されます。例えばJoe LallyがDead Meadow/The Obsessed/Spirit Caravanを自身のレーベルからリリースしていた事実に表されるように、Alternativeという概念が一部の人間にとっての『多を一つに結び付ける概念・趣向の強さ』において育まれてきたものであるのならば、このバンドの音楽はこの現代の日本において時間軸が歪むほど頼もしいものであったと当時から勝手に思っていました。(元から音楽的なAlternative Rockという意味・言葉をこのバンドにおいて用意していなくともAlternativeという意味)
 そしてその音楽は当然受け手が都合よく解釈していい程に多様性があり、一方ではそのライブの衝撃をメインにおいても楽しく、はたまた音源を玩味し往年のバンドとの比較を楽しむのも望ましい事です。それらは今までもこれからもバンドが演奏にて勝ち取ってきた結果でしかない。
 リリースは後ろ倒れようやくの発売とはなりますが、温めれば温めるほどに今作音源はひたすらに様々な想像を掻き立ててくれます。
 今を生きる若者から、今後産まれてくる子供にまで平等に選択肢を用意し、可能性の間口を拡げるためにも、聴かれる・観られる機会を常に用意し続けなければならない事を、恒久的平和の一考として無理やりにでも思いをVINCE;NTに馳せリリースを行っていきます。